宮司はさい銭泥棒を”通報せず” いったいなぜ…

奥田神社 二宮啓宮司:「住所と名前を聞いて『どうする、警察に言いますか?』と言うと、男は『いや、言わないでくれ』って。それで『今まで何回来たの?正直に言えば警察には言いませんよ』って言うと、男は『十何回来たかな…』って」

宮司が「もうやらないか」と問いかけると、男は「やりません」と話し、涙ながらに謝罪。このあとの宮司の行動は意外なものでした。

警察に通報せず、男をそのまま帰したのです。

奥田神社 二宮啓宮司:「一旦刑務所に入って出てくると世間の目は冷たし、例えば働こうとしても就職はなかなかしづらい世の中。捕まったことを機に、人間は1つの節目があった時に変われる。僕に捕まったことによって考え方を変えて、生活の環境を変えていく。ということをしてくれれば僕は嬉しい」

泥棒を許されたことをきっかけに生まれ変わってほしいと話す二宮宮司。実は犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支援する「保護司(ほごし)」でもあり、過去にもさい銭泥棒を"許した"ことがあります。

奥田神社 二宮啓宮司:「何が問題かと言うと、金銭的な貧しさではなくて心の貧しさが浸透してきている。お金が無くても心が豊かであるのがすごく大事」

さい銭泥棒は心の貧しさが生み出す。
二宮宮司は"貧しくとも心は豊かであってほしい"と願って止みません。