「障害がある日常」を赤裸々に公開するワケ

 海さんは、障害がある日常を動画内で赤裸々に公開しています。

「トイレとかお風呂でどういう風に過ごしてるか、撮っておきたいとおもって!」
 ベッドの上で寝転がってスカートを履くシーンや…トイレの様子まで。

「足がない人って、どんな生活をしているのだろう?」という健常者が抱く純粋な疑問をストレートに聞ける人は少ないと思います。
 そうした聞きにくい、触れにくいというハードルを、向こう側からひょいっと、いとも簡単に超えてきてくれるのが海さんなのです。

 助けてくださいという“お願い”ではなく、純粋に“知ってほしい!”
 海さんは包み隠さず、日常を公開する理由を、そう説明します。

 街で障がいのある人に出会ったとき、障がいに対する知識が乏しく「どうしてよいのか」と足踏みしているうちに、手助けする機会を逃してしまった経験がある人も少なくないと思います。

「知らないってだけで弊害になっているのを壊したいなって思う」
 海さんは、そう笑顔で話していました。

 一方で、こんな質問をしてみました。
「助けてほしくない、触れてほしくないという障がい者もいると思いますが、その人がどちらのスタンスなのか、どう判断したらいいですか?」

「まずは声をかけて聞いてみればいい。関わっていく中でこの人はこういうタイプだって分かってくるから…」

 なるほど!コミュニケーションをとる中で、その人との距離感を探り、把握する。
 これは障害の有無にかかわらず、普段の人付き合いの中で自然にしていることです。無意識のうちに「障害があるから」と何か身構え、特別に考えていたのかもしれないと気付かされた瞬間でした。