沖縄キリスト教学院大学では実践的にウチナーグチを学ぶ講義「ウチナーグチ講座」が学生の人気を集めています。単語やあいさつなどを学んできた学生たちが、ウチナーグチの先輩とともに寸劇に挑戦しました。

なぜ若者に人気?「ウチナーグチ講座」

新垣友子教授
「13時50分から本番開始ヤイビーン。ヤイビークトゥ、チバティキミソーリ(13時50分から本番開始しますので、頑張ってください)」

今、大学生らに人気を集めているのが「ウチナーグチ」講座。多くが「祖父母とウチナーグチで話したい」と考える若者たちです。

授業で、2カ月間、実践を繰り返し、学んできました。

県沖縄語普及協議会 国吉朝政会長
「若者が残して使っていかないと、沖縄の言葉がなくなってしまう」

この日は、ウチナーグチを学んできた学生らが、初めて寸劇を披露します。本番を前に指導に駆けつけたのは、県ウチナーグチ普及協議会のメンバーです。

協議会のメンバーの指導の様子
「『皆さんは』、『グスーヨー』さーね、『グスーヨー、チューデービル』、『こんにちは』のことを『チューデ-ビル』といいます」

若い世代に教えるメンバーは嬉しそうな表情、指導にも熱が入ります。

県沖縄語普及協議会 平良京子さん
「最初はマンチャ―、マンチャ―(共通語とウチナーグチを混ぜながら)作りましょう」

このグループの寸劇のテーマは、正月のひとコマ。おばあちゃんが、孫にお年玉をあげます。

県沖縄語普及協議会 平良京子さん
「年上からワラビンチャーには、お年玉あげる時『キラヤー』で良いんです。でも目上の人には、「ウサギラヤー」とかね」

お年玉をあげるの〝あげる“という言葉が、目上の人と、年下では、ウチナーグチが違ってくることを知りました。

さらに台本にはなかった、アドバイスも。

県沖縄語普及協議会 平良京子さん
「正月の歌を歌うと、今日の設定が正月のことなんだと分かるから、最初に歌って『おじいおばあの家にお年玉もらいに行こう』とセリフを始めたらどうかな?」

沖縄の正月にまつわる歌を足すことになりました。

「アリ、ウフッチュナットーサヤ、お年玉キラヤー(あら、大きくなっているね、お年玉あげようね)」

別のグループでは、シーミー(清明祭)でのひとコマを演じます。

「タンメ―ウンメーミーマンティキミソーチ、ニフェーデービル、マタンクリカランミーマンティキミソーリ、ウートートゥ(おじいちゃんおばあちゃん見守ってくれてありがとうございます。これからも見守ってください)」

先輩から教わった生のウチナーグチを即興で使って、寸劇を楽しみました。

県沖縄語普及協議会 平良京子さん
「私のモットーは耳からということなんです。耳からやっていって、どんどんウチナーグチを深く学んでいく」

男子学生
「自分のおばあちゃんもウチナーグチで話してくるが、何言っているんだろうって感じでいつも聞いていて、この寸劇を通して、おばあちゃんはこんなこと言っていたんだなと感じられたので、とても良い機会でした」 

女子学生
「チューヤデージ良い時間ヤイビータン、(きょうはとても良い時間でした)。シンシー(先生)たちがキリ学ンカイ来て、イッぺー(とても)沖縄の大事なウチナーグチや、歴史とか考える機会になったので、とても良かった。ニフェーデービタン(ありがとうございました)」

新垣友子教授
「この世代が、少しでもウチナーグチを使うようになると、がらっと変わっていくかなと思っている。自分たちの言葉の響きってこんなに楽しくて、エネルギーがあって、生き生きしているというのを感じることから始めていって、継承につながっていってほしい」

大きな学びを得た学生たち、ウチナーグチ継承へ最初の一歩を踏み出しています。