“げたばき団地”の愛称で知られ、すでに取り壊しが決まっている富山市の市営住宅「奥田団地」。そこで営業を続ける理容店に対し、市は、立ち退きを求める裁判を富山地裁に起こしました。

富山市の奥田団地は店舗と住居部分からなる3棟の市営住宅で、耐震基準を満たしていないことから2021年取り壊しが決まりました。市は住民と店舗に対し、2023年3月末までの退去を求めてきましたが、現在はカナヤ理容店だけが営業しています。

訴状によりますと、市は立ち退き料としてカナヤ理容店に1014万円を提示しましたが、明け渡しを求めた民事調停で店側が新店舗の工事費用を含む1925万円を要求して退去を拒んだということです。調停は8月に不調に終わりました。
市側は「取り壊しの判断の過程に誤りや非合理性はない」とし、店側に立ち退きを求めています。
カナヤ理容店・金谷健興さん:
「親の代から50数年間そこで商売させていただいて培ったものがある。それを全くなしにして新しいところでやってくださいねっていうのは納得できませんと。裁判でその辺のところはきちっと主張させていただければなと」
第一回口頭弁論は12月11日です。