■「オーバードーズで宇宙旅行…」「気持ちよくなって大麻とかわらない」

大量の市販薬を飲む少年

記者「これを1回どれくらい飲むのですか?」

少年「100…だいたいその瓶の半分くらいですね。大体、これとこれを合わせれば“宇宙旅行”=頭がおかしくなるっている意味です」

記者「命に関わるのではないですか?」

少年「これで死んだ人はいないので」

記者が解説する。

記者「市販薬を一気に飲み多幸感を得る行為はオーバードーズと呼ばれ『2回目、3回目で慣れてきてそのまま依存して気持ちよくなり、大麻と変わらないよ』と話す少年もいました。

薬は近くのドラッグストアで手に入れ、集団で飲むことが多いと言います。地面をよく見渡してみると、至るところに薬の空箱が落ちているのを確認できました。

オーバードーズがやめられないと話す15歳の少女の腕には、いくつものリストカットの跡がありました。

薬を一気飲みしたときにやってくる苦しさをリストカットで誤魔化すことで『生きている私』を実感できるとも言っていました。」

居場所を求めて『ドン横』に集まっていた若者たち。閉鎖後はどうするのか?記者は少年少女に聞いて回っていた。



■「ドン横」から「池公」へ。居場所を求めて…少年少女はどこへ

“スカウト”の発した衝撃の言葉

記者「『ドン横』は閉鎖されますが、これからどうしますか?」

少年「別にいいんじゃないですか…他にも公園はあるし。池田公園とかかなあ」

名古屋市中区の池田公園は「池公」と呼ばれ、名古屋の歓楽街に近接する公園だ。『ドン横』からそう遠くはない所にある。

「池公」の横には派出所があるものの、さまざまなトラブルが聞こえてくる。

記者はこの公園でも取材を重ねた。そして…

記者「この公園を取材していて感じたのは、人が集まるピークの時間が遅いことです。

周辺の多くのホストクラブが店を閉める深夜1時ごろから騒がしくなりはじめます。
ホストと客の料金をめぐるトラブルや、外国人同士の殴り合いなども日常茶飯事。

取材中、『この公園の“闇”を知っているよ』と声をかけてきた一人の男性がいました。


男性の職業は“スカウト”でした。

金に困った女性に声をかけては、キャバクラ店などを紹介していると言っていましたが、悪質な“スカウト”の中には、14歳だろうが15歳だろうが関係なしで若い子を狙って援助交際のデリバリーに連れていく者もいると話していました。


その“スカウト”だと言う男性は『(ドン横キッズが)ここに来たら、食い物になるんじゃないですかね。間違いなく…』と話していました」

警察は、名古屋市内の若者が集まる場所の警戒を今後も続ける。

記者は最後にこう話した。

記者「名古屋で少年少女を食い物にしている大人たちの『闇』が、さらに見えてきました…」

潜入ルポの続報をお伝えできる日が、そう遠くないのかもしれない。

CBCテレビ 報道部 大園康志