■「このスカートが何を意味するんだろう」「誰かの理想像のためにアイドルをやっているんじゃない」

小川キャスター:
ひとつ思い出したのが、アナウンサーカレンダーというのがありまして。大体30歳前後までのアナウンサーなんですよ、登場するのは。若さだったり見た目というのが、大きな価値基準であるかのような印象というのを感じるんですよね。

和田さん:
私が15歳でデビューしたときは、「日本一スカートの短いアイドルグループ」というキャッチフレーズがあったんですね。
「なんで自分はこの短いスカートをはかないといけないんだろう」みたいなことをちょっと考え始めた時に、「このスカートが何を意味するんだろう」とかまで考えていて。誰かの理想像のために私はアイドルをやっているんじゃなく、自分の人生のためにやっていたからこそ色々悩んでいたのが18~20歳の頃にありました。

小川キャスター:
大分変わっては来ましたが、例えばカメラワークひとつとっても女性アナウンサーは足元からなぞるようなカメラワークをして撮られたりとか、そういったこともありました。

田中教授:
「ルッキズム」「見た目のジャッジ」っていうのが、非常に女性の場合は規範的な女らしさとか、空気が良くなるように振舞って欲しいというようなところとすごく強く結びついて。「女性も自由に仕事していい」「活躍していい」「ただし爽やかにふんわりとやってください」っていう二つの相反するメッセージが、現代の女性たちをすごく苦しめているなと思っていて。

「女性はこうあるべき」という押しつけに、生きづらさを感じる人も少なくありません。ほかにも・・・

■「美人」「容姿が良い」気づきにくい“差別”も

和田さん:
中学生で演劇の仕事をした時に、自分は演技とかができなくて。演出家とか大人のスタッフから最後に手紙をもらって。
「あなたは容姿がいいのにできることが少ないから、それが追いついてくれば素晴らしいよ」みたいに書かれていて。「できない子に対する言葉として、容姿を出す必要ってあるのかな」なんていうのは、今のこの空気になってからより考えるようになりました

山崎ナオコーラさん:
「容姿がいい」っていうのが褒め言葉だから、差別のフレーズだっていうのに気づきにくいっていうのはありますよね。“良いこと言ってる感”というのが出るけど、文脈で見るとこれは「差別の文章」になっているなっていうのは結構世の中すごくいっぱいあって。

逆にブスとかの方がはっきりと差別と分かるけど、「美人」「容姿が良い」とかだと、差別に気づきにくいというのがあるんだろうなと思います。