今井 兼次さんが“モザイク壁画”に込めた思い

設計は、日本を代表する建築家 今井 兼次さん(1895-1987)です。建築当時の映像が残されています。
【『日本26聖人記念館』大成建設株式会社 建造記録】より


モザイク用の材料になるのが“焼物”です。
今井さんは 26聖人が歩いた京都から長崎までの道のりを自ら歩き、窯元を尋ねては、不要になった陶器を集め 壁画の材料にしました。
<このモザイクは、今井教授によって“フェニックスモザイク”と呼ばれる。“命なき陶片”に “永遠の命”を与える喜び――それが命名の由来である>当時の映像では、そう紹介されていました。

自らも信者だった今井さんは、スペインの建築家 “ガウディの精神”を導きとし、不要の陶器をよみがえらせる「フェニックスモザイク」で “殉教者の苦難” と “復活のよろこび” を語り継ごうとしたのです。
長崎駅のそばに来年開業するマリオットホテルは西坂の丘を臨みます。サイ・ウエストさんは、長崎の歴史と風景に魅せられ総支配人を引き受けました。

長崎マリオットホテル サイ・ウエスト総支配人:
「最初、サグラダ・ファミリア、バルセロナの教会に似ている印象です。日本(長崎)のこのような景色は本当に特異だと思います」
修復を手掛けるのは、去年の「信徳(しんとく)の壁」に続き、東京の遊工房。
モザイク工芸作家の宮川雄介さん率いる職人たちです。