今から400年前に26人のキリシタンが処刑された丘に立つ日本二十六聖人記念館の『壁画』が11月大規模な修復工事を終えました。
サグラダ・ファミリアを設計したガウディの精神を宿す『モザイク壁画』
プロの造形作家らによる修復に密着しました。

3か月の準備を経て、作業に入ったのは9月のことでした。
(壁から皿を取りながら)「取れる…取れました」
この壁が完成してことしで61年。
「よく持ってたな」…思わず感想がこぼれます。

世界的巡礼地―年間6万人が訪れる西坂の丘に建つ「日本二十六聖人記念館」
その東壁の修復工事です。

遊工房 モザイク造形作家 宮川雄介さん:
「設計図をもとに、何個あるのかも分からないんですけど取れた所を…気が狂いそうになりました」
426年前の冬、耳をそぎ落とされ京都から連行された26人のカトリック信者がここで磔の上で処刑されました。
西坂は2人のローマ教皇も訪れ祈りを捧げた聖地──
『信仰』を喜びとし 死も受け入れた26人は教皇自らによって聖人に列せられました。
列聖100年を記念して建てられたのが “二十六聖人記念館”です。


記念館 南の壁『愛徳(あいとく)の壁』
血で染まった槍、そしてロザリオ十五の場面のモザイク画が隠されるように配されています。
西は『信徳(しんとく)の壁』


キリストを現す、白い大きな十字架とそれを取り囲む二十六の十字架が炎であぶられたこの壁は、去年 全面修復を終え、60年前の輝きを取り戻しました。
そして今回修復されるのは東──
『望徳(ぼうとく)の壁』と呼ばれています。



壁画に近づいてみると 構成しているのは 湯呑、灰皿、おちょこに、皿…。
『モザイク壁画』は、あらゆる陶器やガラスで表現されており、60年の雨風の中で、色も強度も劣化しボロボロになっていました。
遊工房 モザイク造形作家 宮川雄介さん:
「織部焼なんですけどこれも全部作り直して」