懲戒解雇通知書です。
処分の理由には、いじめ行為や出勤拒否などが記載されています。

トゥンさん:
「懲戒解雇の理由は会社がつけた理由で、正しくないです。例えばいじめということはなく今も仲良くしています」

この企業に取材をすると…

トゥンさんの元技能実習先の企業
「本人から転籍・帰国をしたいという意向があり、会社でもいじめや機械を壊すなどトラブルがあったため、監理団体にも連絡して承諾しました。しかし、監理団体と本人が話をしておらず、退職日を設けていたのに退職届を書かないということで、やむを得ず会社都合となりました」

住む場所が無くなった後は…

トゥンさん:
「寮から出されても監理団体が来てくれず、外で寝ました。きのうも迎えに来てくれず、充電とかWi-Fiもなくなったのに…」

団体から事務所のある静岡まで電車で来るよう言われていましたが、日本語がほとんどわからず携帯の充電も切れてしまい、行き方がわからなかったといいます。

日本での生活基盤を失ったトゥンさんが、最後の砦となる機構を訪れた結果…

団体の元へ戻り、新たな仕事を探すことになりました。

しかし、団体の迎えは無く、機構も保護できないということで、3日間はNPO法人のシェルターで過ごすことになりました。

NPO法人日越ともいき支援会 吉水慈豊代表:
シェルターを用意しますとなったときに機構は監理団体が用意しろというふうに言うけど、うちは用意できない、これの行ったり来たりが始まります。

機構によりますと、今回のケースでは団体が保護をしなければなりません。

しかし団体のサポートが足りず、技能実習生が失踪して犯罪に巻き込まれるケースがあるのです。

失踪技能実習生が問題となる中、政府の有識者会議は今は原則認められていない職場の変更について一定の要件を満たせば転籍ができるようにするなどの案を発表しています。

NPO法人日越ともいき支援会 吉水慈豊代表:
「今回のトゥンさんの場合も現行の制度でも支援できていないのにも関わらず、それプラス移行期間の保護は誰がやるのか、保護する住める場所は用意できるのかとか、これから話を詰めてもらいたいと思います」