◆安全は担保されるのか

タクシー業界が導入に反対する主な理由は安全面です。現状の制度ではタクシーを運転するには二種免許が必要ですが、ライドシェアは普通免許で可能です。事故が起きた場合、タクシーは会社が対応しますが、ライドシェアはドライバーが個人で対応するほか、飲酒・労働時間のチェックや保険の加入に関するルールがありません。

第一交通産業 田中亮一郎社長
「安全・安心をある程度担保した上で解禁する議論ならいいけども、やってみて失敗したものを直そうというのは、絶対被害者が出るので、それは違うでしょう」

福岡県北九州市に本社を置き、タクシーの保有台数日本一を誇る第一交通産業。田中社長は「ライドシェアの導入には反対でも賛成でもない」としたうえで、まずはタクシーを増やすために規制を緩和するべきだと主張します。ライドシェアの導入が検討される背景には、タクシーの運転手不足があるからです。
具体的には、特定技能外国人の在留資格にタクシー運転手を加えること。また、営業区域や台数の制限撤廃などタクシー業界の規制緩和を求めています。

第一交通産業 田中社長
「70年前にできた道路運送法から基本何も変わっていない。こんなに足りない足りないって言われているんだったら需給調整なんてしている場合じゃないでしょう。それをライドシェアで補うのは変なので、タクシーで増やさせてくれということ」

◆タクシー運転手は年々減少

九州運輸局によりますと、福岡県のタクシー運転手は年々、減っていて、特にコロナ禍の間に約3600人が離職し、昨年度末には1万2095人となりました。

一方、福岡市は、早くも7年前に、ライドシェアの導入を目指して「Uber」を使った実証実験をしました。しかし、国土交通省から「白タク行為にあたる可能性がある」と指摘され、わずか1か月で中止になりました。

福岡市 高島宗一郎市長
「ライドシェアの議論の時にはまず安全性、要するに万が一があった時にどう大丈夫なのか。既存のタクシー事業者との共存はどうしてくのか。この2つが大きな論点になる」