来年110年を迎える宝塚歌劇団。その劇団に所属する女性が死亡したことを受け、歌劇団側は14日の会見で「いじめやハラスメントは確認できなかった」と述べました。元タカラジェンヌが内情を明かしました。
宝塚歌劇団側「いじめやハラスメントは確認できなかった」

宝塚歌劇団 木場健之 理事長
「宝塚歌劇は109年に渡って、ずっと出演者が代々、上級生から下級生に、芸・伝統の継承を行ってきた伝統がある。我々事務サイドとしては、詳細な内容までは承知しておりませんでした」
来年(2024年)、110周年を迎える宝塚歌劇団。その伝統が揺らいでいます。

2023年9月に、自宅マンションから転落し亡くなった、宙組所属の25歳の女性。
自殺とみられていますが、遺族側はこう訴えていました。
遺族代理人 川人博 弁護士(11月10日)
「ヘアアイロンを(女性の)額に当て、やけどを負うという事件があった。上級生から『下級生の失敗はすべてあなたのせい』、『マインドが足りない・ないのか』、『嘘つき野郎』などの暴言を受けた」

遺族側によると、上級生からのハラスメントのほか、女性が亡くなる直前の1か月間の労働時間は400時間以上。
睡眠時間は、3時間程度という過重労働があったといいます。
宝塚劇団側は、外部の弁護士による調査チームを設置。
宙組の劇団員や理事長などあわせて70名以上に、ヒアリングを行ったとしてます。
ハラスメントについては…

宝塚歌劇団 井塲睦之 理事
「ヘアアイロンの件を目撃した他の劇団員はいなかった。当時のヒアリング報告メモによれば、両人とも少しやけどをしたことがあったが、故意ではない旨を答えたと記載。指導内容・方法については、社会通念に照らして、不当とは言えないという評価がこちらの出来事についてはされている」
宝塚歌劇団 木場健之 理事長
「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、すべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されていない」
いじめやハラスメントはなかったとしています。
睡眠時間3時間だったという労働環境については…

宝塚歌劇団 木場健之 理事長
「稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定されているなかで、『長の期』(下級生のまとめ役)としての役割・活動に、(女性含む)2人のみであったことが、故人にとって大きな負荷になったと判断。そのような状況や問題を劇団側が十分に把握できず、対処できなかったことに責任を痛感している」