賛否両論ある死刑制度ですが、その情報は全く漏れてきません。絞首刑が執行される際、密室で何が起きているのか?そして死刑を免れた無期懲役囚の胸中とは?その実態に報道特集が迫りました。
執行の約2時間前に突然の告知 絞首刑の実態とは
『死刑は刑事施設内において絞首して執行する』(刑法11条)
絞首刑は憲法が禁じる“残虐な刑”に当たるとして、死刑囚3人が死刑執行の差し止めを求める訴えを起こした。

水谷恭史弁護士
「絞首刑の執行方法を知ったときに死刑は存続すべきという判断になりうるのか、世に問うていきたい」
死刑に関する情報は法務大臣が執行後に行う臨時の記者会見のみだ。
死刑はどのように行われているのか。実は、執行命令を受けた拘置所では、執行の専門家2名を中心に死刑囚の体型に合わせた人形を使い、入念なリハーサルが行われる。
東京拘置所 元部長
「刑場の施設は極秘です。技術が高い民間に委託することは出来ないので、拘置所の技官だけで造ります。リハーサルをやっても、本番で電気系統が故障してロープが動かなかったことも何回かありました」

死刑の執行前、職員に迷いが出ないように死刑囚の事件記録を読ませる幹部もいたという。
死刑は執行の約2時間前に突然告知される。独房から刑場に連行中、自力で歩けなくなる死刑囚もいる。抵抗が予想される場合に備えてエレベーターは二重構造になっている。

刑場の中の教誨室で遺言や所持品の整理が行われる。ここで精神を安定させる為に教誨師と約30分間過ごす。
その後、執行室の隣の部屋へ。拘置所長が「お別れの時が来ました。今日までよく頑張りましたね」などと“死刑の宣告”をする。