赤ちゃんに響くポイントはほかにも…“赤ちゃんも仮説と研究を繰り返している”

ーーなるほど…無意識のうちに触れ続け、惹かれてしまうんですね。

「それだけではありません。月齢の低い子にとっては光ることも重要です。視力が発達していない中で、電卓のモニター部分が反射でキラキラすることで、興味を持つ子もいます。

赤ちゃんでも持ちやすい薄さ・重さというのもポイントです。

また、生後10ヶ月くらいからは“これをやったらこうなる”と理解できるようになるので、ボタンを押すとモニターに表示される数字が変わるという、やったことに対するアクションの違いを確認して楽しむ子もいます」

赤ちゃんも、仮説と研究を繰り返し、世の中のことを知ろうとしているそうだ。

ちなみに、電卓に“ハマり”やすい赤ちゃんは、両親が電卓を使っているのをよく目にしているらしい。
「お母さん・お父さんの真似をしたい」という欲求が、“触ってみたい”という興味を刺激するようだ。

コロナ禍でパソコンを使った在宅ワークが増えたことで、赤ちゃんがキーボードに興味を示すようになったのも、そういうわけだ。

ーー電卓、万能ですね。おもちゃを作る立場としては、どうですか?

「ライバルでしかないですよね。すばらしい。要素が詰まっていて、真似できません(笑)」

電卓には玩具メーカーもライバル視する意外な魅力がつまっていた。とはいえ、そもそも電卓はおもちゃではないので、赤ちゃんに手渡す際には、決して目を離すことがないよう注意は必要だ。