「世界の解像度がどんどん上がって、鮮やかに見える」
福田素耀慧さん、30歳。今年の春から夜間中学に通う1年生です。彼女も不登校の経験があります。

1年生 福田素耀慧さん(30)
「幼少期に家庭の事情で、ほとんど義務教育に通えていなくて。いろんなところを転々としていたので、学校で勉強について行くことができず、いじめなんかもあった。いじめがなくなっても、それがトラウマで…」
いじめや家庭の事情で、学校に通えなかった福田さん。去年8月に、自らの悩みをインターネット掲示板に書き込んだといいます。
1年生 福田素耀慧さん(30)
「Yahoo!知恵袋に、どうしたらいいか?と質問を送ったら、“夜間中学校へ行け”って一文が帰ってきて。自分はもう、勉強をする機会に恵まれないってずっと諦めていたんですね。機会をもらえるんだったら、もう一度学んでみたいと思いました」
春には、ひらがなが多かった作文も、

いまでは、漢字が多く、きれいな文字に。

1年生 福田素耀慧さん(30)
「小学校の計算、1桁の足し算、引き算もできないくらいだったので、基礎クラスを選んで」
この夜間中学では、生徒のレベルに合わせた、数学の授業が用意されていて、福田さんは、この半年間で、中学1年生レベルに追いつきました。
1年生 福田素耀慧さん(30)
「問題が難しくなってきても、応用して解けるっていうのがすごい。自分の積み重ね、努力が如実となって、結果に表れるのがすごく嬉しいです」
改めて学校に通ってみて思ったこと…
1年生 福田素耀慧さん(30)
「先生たちも、とても優しい方たちばかりですし、学友というものに恵まれて、いまが一番楽しいです。なんか青春してるなって感じがします。学校で学んだ“1”が、いろんなふうに広がっていくのがすごく楽しくて。昔より世界の解像度がどんどん上がって、鮮やかに見えます。
勉強する前は、世の中っていうのは怖いものだと思っていた。学校で学ぶことで、知識を持って、自分を守ったりもできるし、何が世界で起きてるんだろうって読み取れるようになったので、生きるのがちょっと楽しくなりました」
