視覚や聴覚、嗅覚など、五感から受け取る刺激を過剰に強く感じてしまう「感覚過敏」という困難を抱えている人がいます。そうした人たちも生活しやすいようにする取り組みが少しずつ広がっています。
生徒
「音がすごく大きく聞こえたり、人に触られるとやけどのような痛みがあったり、子どもの泣き声、雷、食器のぶつかる音、本当にひどいときは自分の声も聞こえてうるさくなってしまうので、しゃべれなくなるという状態があります」
新潟県内の特別支援学校に通う女子生徒は、4年ほど前から、音や肌に触れる刺激を苦痛に感じるようになりました。「感覚過敏」です。大勢の生徒と同じ教室で過ごすのが難しく、ほとんど学校に通えなかった時期がありました。
生徒
「今のままだと少し、生きていく、生活するのが難しい状態の日もあるので、やっぱりもうちょっと(感覚過敏が)世に知れ渡ってもらえれば生きやすくなるかなと思います」
新潟大学大学院の長澤正樹教授によりますと、つらさの程度や苦手な刺激は人によって異なるそうです。
新潟大学大学院 教育実践学研究科 長澤正樹 教授
「結構多いのが、においに対する敏感さ。制汗スプレーとか、香水とか、柔軟剤のにおいが苦手で、その場にいることがたまらなく嫌だという人も多くいる」
さらに、感覚過敏が原因となって、睡眠障害や不安障害などを引き起こすケースも少なくないといいます。
こうした感覚過敏の人も生活しやすいようにする様々な取り組みが広がりを見せています。
ドラッグストア「ツルハドラッグ」の一部店舗で実施しているのが、「クワイエットアワー」です。通常の店舗の状態では照明がまぶしく、商品が見えづらかったり、店内のBGMがうるさくて苦痛に感じたりするという客の声を受け、週1回1時間、照明を控えめにし、BGMを流さないようにしているのです。
ツルハドラッグ 上越春日新田店 斎藤和也 店長
「企業が積極的にこういう取り組みをすることで、一人でも多くの人に感覚過敏というものを理解していただけたらいいのかなと思う」
また、北海道の水族館では、大きな音が苦手な子どもたちにも楽しんでもらいたいと、音楽やアナウンスのないイルカショーを開催。
大阪のメーカーが作ったのは、誰もが使いやすいノートです。真っ白な紙は「光の反射が強く、まぶしい」という声を受け、まぶしさを軽減し、読み書きがしやすいようにと、色やデザインを試行錯誤して製品化しました。
新潟大学大学院 教育実践学研究科 長澤正樹 教授
「『神経質だ』とか『気にし過ぎじゃないか』とか、そういったような誤解を生むことがあるんですけど、そもそも人はそれぞれ感じ方は違うので、その違いを認めることは、大きく言えば多様性を認めること」
苦手なことや、支援を受けてできること。誰もが持っているそんな特性を理解し認め合うことが、社会全体として求められています。
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