ーー生活は一変しますよね、どういう風に感じましたか?

「生活圏が離れるということもあって、学校での生活だったり友達っていうコミュニケーションが一気に断絶されてしまった感覚で。私はどちらかというと関東に残りたかったし、父親の方に居たかったです」

仲が良かった当時の家族写真

ーー当時、自分のそういう気持ちを親に言うことはできましたか?

「『向こうに戻りたいよ』と言ったんですけど母親がすごい猛反発するというか、すごい癇癪を起こしたように『絶対行っては駄目』『あの人はこういう人だから』とか。

(父親に)会う権利があるはずなのに、許されなかったっていう状況が続いて、個人的には一番しんどかった時期だなと思いますね。自分の主張を聞いてくれない、尊重してくれない。『何を言っても無駄だな』と自分の無力感を感じて、両親を通じて人間不信にも繋がったのかなって思います」

ーーその他にも、親の離婚の影響だと感じることはありますか?

「僕は中学の時にたてた誓いで、子どもはやめておこうと決めています。性格的に(母を)無意識に引き継いでいる部分もあると思うので、自分が苦しんだ分、子どもに同じ思いをさせたくないなって思いが強かったです」

ーー親の離婚を経験した子どもとして、伝えたいことはありますか?

「親の間で決着はついてるかもしれないけど、出来事として終わっても、子どもながらにそれを心理的に引きずってる部分は絶対あるし、言えないままっていう子も多いです。

離婚の全てを否定しているわけではないし、(両親が)離婚して別れるってことは正しい選択だったかもしれないです。ただそれは大人の話であって、子どもの気持ちは尊重してほしいです。離婚するにしても、子どもの訴えを親が聞いて改善していかないと子どもはずっとつらいままだということは知っておいてほしいです」