4割が提供を希望するも、家族と話しているのは1割未満

藤森キャスター:
内閣府の調査では、「自分が脳死・心停止で死亡した場合、臓器提供をしたいかと思うか」という質問に、39.5%の方が臓器提供をしたいと回答しています。
ただ、実際に、免許証や保険証に意思表示をしていると答えた人は6.7%、意思表示したことを家族などに話していると答えた人は3.5%と1割にも満たない。
決めてはいるけど、意思表示をしていないという人がかなり多い。

池田留輝愛 記者:
母親の臓器提供を決断した遠藤さんの場合、初めてお母さんと臓器提供について話したのは、小学校高学年のときだとそうです。そのときに、もし死んでしまったら、臓器など使えるものは全部使ってくれと言われたが、親が死ぬなんてどういうことなんだろうみたいな、悲しい気持ちになったと話されていました。

その後も、中学校、高校、大人になっていく中でも、食卓の中で、ふつうの会話として、臓器提供について話すことが多かったと。それでも、実際に決断するとなったときは、すごく迷われたそうです。

意識がない状態のお母さんを目の前にして、提供していいですか?と問いかけても、返答はないですし、答えを誰も知ることができないというところが大きいのかなと話を聞いていて思いました。

藤森キャスター:
医師も悩んでるそうです。救急医で日本体育大学大学院の横田裕行 教授に伺うと、臓器提供という選択肢を説明する際、「今まで一生懸命治療して、家族は何とか良くなってほしいと思っている中で、臓器提供という機会がありますよと伝えるのは、正直なかなか言い出せない」と話していました。
医師が伝えることは、義務化されているわけではないそうです。

池田留輝愛 記者:
医師にも心理的なハードル、負担があるということで、情報提供はなかなか難しい。それによって、実際に本人は提供を希望しているけれども、情報が届かなかったり、届けることが難しかったりすることで、機会が失われるケースも指摘されています。

臓器提供希望者の家族の方に、情報を確実に伝える仕組みづくりも求められていると思います。

斎藤幸平 東京大学 准教授:
お医者さんは治療に集中すべきだし、もっと家族に寄り添いながら説明するような仲介者が必要かもしれないですね。