皆さん想像してみて下さい。突然あなたの家族が事故に遭い、病院に駆けつけると、お医者さんから脳死と告げられる。そして、臓器提供の提案をされる。あなたは臓器提供にサインできますか? 母親が脳死状態となった女性が臓器提供を決断するまでの葛藤について語りました。
決断できたのは母が残した言葉があったから
遠藤麻衣さん、40歳。
数年前、母親の緑さん(当時61歳)が、交通事故で意識不明の重体になりました。

遠藤さんも病院に駆けつけ回復を祈りましたが、医師から「機械で息をしていて、いずれ心臓は止まる、脳死の状態だ」と告げられたといいます。
遠藤麻衣さん(40)
「ぐちゃぐちゃの気持ちの中で、家族みんなが過ごしていたと思う」

突然のことに悲しみ、迷った末に、緑さんの臓器を提供することを決めました。
遠藤麻衣さん
「母の臓器を取り出す手術ということは、いまは温かいが、冷たくなって帰ってくるから、手術室に送り出すときは一番つらかった。それでも、やっぱりやめよう、やらなければよかったというのはなくて。本当にありがとう、いってらっしゃい、頼むねって」

緑さんの心臓などは、移植を待つ人のもとに届きました。
緑さんのように、脳死判定された件数は先月29日、1000件を超えました。
脳死判定後の臓器提供の件数も、2010年の法改正で、本人の意思が分からない場合でも、家族の承諾で提供ができるようになり、大幅に伸びました。

それでも、国内で移植を受けられる人は、希望者のうち、3%ほど。国際的にも極めて少ない状況です。
遠藤さんも、葛藤があったと話します。
遠藤麻衣さん
「どうしても決めきれない部分、あきらめたくない部分もすごくあって。臓器提供すると決めることで、母の命が終わる時間を、私たちが決めるというのは、どうしても必要にはなってきてしまう」
なぜ決断できたのか?
それは、家族の間で事前に話し合っていたからだといいます。
遠藤麻衣さん
「ママも死んだら、(臓器を)使って全部、灰にしたらもったいないからね、というのを常々言われていたので。思ったことを言葉できちんと大事な人に示しておくことで、残された側がどれだけ助かるか」

臓器提供を希望するか、意思表示をしている人は、現状、1割ほどに留まっていています。

「残された家族のためにも、日頃から臓器提供について話し合ってほしい」
遠藤さんはそう訴えています。














