戸籍の性別を変えるには、生殖能力を無くすなどの手術を受けなければなりません。
 先月25日、最高裁判所は、この要件が憲法違反であると判断しました。
 「自分のからだのままでも、自分らしく生きられる」。
 トランスジェンダーの人たちの、それぞれの思いを見つめます。

臼井崇来人(うすい・たかきーと)さん(50歳・先月25日)
「違憲となって、ほっとしたというのが、率直な気持ち」

 安堵の表情を見せるのは、岡山に住む臼井崇来人さんです。
 戸籍の性別は女性ですが、心は男性です。
 7年前から幸(みゆき)さんと、幸さんの長男と共に、事実上の「夫」として、「父親」として生活しています。

崇来人さんと幸さんと長男

 崇来人さんは、からだを男性に近づけるホルモン治療を受けていましたが、副作用に悩まされました。
 性別の変更に必要となる、からだへの負担が大きい手術は受けていません。

臼井崇来人さん
「健康の方が大事だっていう価値観とか、基本的には自分のからだのままで、本当はその人らしく生きられるはず」