最大の理由は不透明な跡地活用

富山市は今年4月、金谷さんに対し建物の明け渡しを求める民事調停を富山簡易裁判所に申し立てましたが、金額面で折り合わず、8月に不調となりました。

しかし、立ち退きに応じない最大の理由はお金ではないと言います。

金谷さん:「最大の理由はですね。これ(奥田団地)をどうするか何も決めてないのに、とにかく立ち退けと」

金谷さん:「例えば立ち退く前にどういう計画でこんなものが建てるんですっていうふうなお話をいただいた上で、そこで私どもがそこに入る。それでいろいろ判断するならわかるんですけど、ちょっと私それは納得できませんよねって」

金谷さんは、市側が跡地活用策の具体的な方針を示せば、立ち退きに合意すると話します。

金谷さん:「いついつまでに壊します。そしてこういうものができてきますという話がもし決まれば、私も公共の福祉ってわかってる立場ですから。だったらそういうものができるのであれば地域のために早くした方がいいよねって」

跡地の活用を巡っては、都市計画の専門家や住民の代表が委員を務める懇話会が民間主導の複合施設などを望む意見書を富山市に提出しています。

懇話会の委員だった奥田校下自治振興会の竹嶋一恭さんは、跡地活用は奥田地区だけの問題ではないと指摘します。

竹嶋さん:「奥田だけを考えたらだめなんで。駅北。富山市の北側というものか。ひいては富山市の発展と、私は思います」