300通を超える「助命嘆願書」を送り続け、フィリピン大統領の恩赦により日本人戦犯105人の命を救った、島根県安来市出身の画家、加納莞蕾(本名:加納辰夫)。
当時、莞蕾が英語で綴った「嘆願書」の日本語翻訳本が、このたび出版されました。

出版されたのは、加納莞蕾が当時のフィリピン大統領をはじめ、フィリピンのキリスト教団体、ローマ教皇らへ送った300通を超える英文での「嘆願書」の翻訳本です。

翻訳を担当した、三島房夫さんは生前の莞蕾と深い交流があった人物で、日本語での原文が存在しない「英文嘆願書」の日本語訳を、今から50年前、莞蕾本人に
直接確認する形で始めたといいます。

そして、半世紀経った今年、莞蕾の平和哲学の全容を把握できる初めての書物として出版されました。

安来市加納美術館 加納佳世子名誉館長
「1人でも多くの人に読んで頂いて平和への思いがつながっていく、それが次世代につながることを心から望んでいます」

11月3日には出版を記念した講演会も開かれることになっています。