「フリースクール」発言に透ける本音

久保田 編集長:
ただ実はSNSを見ると、この小椋市長の発言に賛同する意見も結構目につきます。では、支援をしている当事者の方たちは、今回の発言をどのように見ているんでしょうか?
不登校の子どもに寄り添い、支援を続けている認定NPO法人「カタリバ」の今村久美代表理事は
「個人的には賛同しかねるが、多くの人の本音を代弁したようにも見えた」
つまり、学校行かなくて本当に大丈夫なの?という不安は多くの人が抱えている、それが出たのではないか、ということなんです。
その背景には、「『学校に行かなくていいよ』と言うが、その後の選択肢がない」という課題がある、と指摘しています。
実は段々と「学校に行かなくてもいい」という空気感が出ているようです。実は、7年前に文科省はこんな通知を出しています。

「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」
文科省も「学校だけではない」とは言っていますが、社会的に自立するために、どんな学びが必要で、どういう場所があるのか、が疑問になっている。その受け皿の一つにフリースクールがあります。しかし、フリースクールというのは、実はかなり“フリー”です。

「寄り添い型」のものや「教育型」のところもあり、基本的には「手弁当」。公的な支援は不足しており、手弁当でやっているところが多く、安全基準など一律の決まりもないというのが現状です。














