そのため、まさに今が一年で最も攻撃性が増していて、こうした事故が起こりやすい時期だと言えるといいます。

公立鳥取環境大学環境学部 小林朋道 教授
「オスジカは角を使って、角で突いて攻撃します。シカ同士であれば、お互いの角が絡んで、シカの体に当たることは少ないんですけど、人間の場は直接皮膚に角が刺さる状態になりますよね。出血も当然だと思います」

また、全日本鹿協会の小林信一事務局長によりますと、オスジカの角は、メスを争う発情期に合わせて、硬く鋭く成長するのだといいます。

全日本鹿協会 小林信一 事務局長
「シカの角は毎年生え変わります。春~夏にかけて生えている時期は割と柔らかい。それが8月中旬~終わりになると硬くなる。骨化する。そうするとこれは武器になります。それで刺されると、人間も大きな事故、あるいは死亡になることは考えられますし、かつてそういう事故は海外でもありました」

亡くなった職員は約20年前、センターができた時から勤めていて、研究者の補助をしていました。
このシカも最初から世話していたといいますが、人間とシカの信頼関係は築けるものなのでしょうか。