男性はシカの柵の中で、1人で作業していたということです。

このシカは2013年、野生生物の防除の研究のため、子ジカの時にセンターにやって来ました。

センターによると、手袋・長靴で体を守り、今がオスジカの発情期なので距離をあけるなど注意していたと言いますが、柵の中でシカと人の動線を分けるなどはしておらず、自然状態での生態を調べるため、角は切っていませんでした。

動物行動学などを専門とする、公立鳥取環境大学の小林朋道教授は、今の時期、オスジカは繁殖期で攻撃性が高まると指摘します。

公立鳥取環境大学環境学部 小林朋道 教授
「季節がちょうど繁殖期です。山陰では9~11月にあたりますが、繁殖期のオスは縄張りを作って、メスを獲得して、そのためにはオス同士が戦います。攻撃性も高くなっていて、相手が人間であっても攻撃することは十分可能性があると思います。
今まではこういう事故が無かったのに、今回起こったというのが、柵への入り方やシカへの接し方において、いつもと変わったシチュエーション、変わった状況があったのかなと思います。その辺がポイントになるかと思います」