(読み合わせ練習)「だんなさま何か波の様子がおかしくございませんか。本当だ、潮がたちまち押し寄せたと思ったら引いていくではないか」

夏休みをはさみ、練習は3か月に及びました。

(読み合わせ練習)「いやあ、こりゃあひどい。あれだけあった家が跡形もなくなっちまった…」「田んぼもすっかり荒れちまった」「流れ込んだ土や瓦礫を取り除くったって、えらいこんだ…」「それに塩水が入り込んじまったで、作物だって育たねえだろうなあ」「語尾が上がったね…」「育たねえだろうなあって」

仲間や教職員が意見を出し合い、より「伝わる」演技を追求します。

(読み合わせ練習)「おーい、早くこっちにこい。で、下がってくる」

村人をまとめる主役と、それを支える番頭を演じるのは、3年生の2人。

3年生にとって、今回の学校祭にはより特別な思いがありました。

台風19号や新型コロナの影響で中止が続いていた一般公開が、5年ぶりに再開されることになったのです。

(主人公役・服部幹さん)「行動がまず最初恥ずかしかったので小さかったりとか、まだ気持ちがこもっていないとか色々たくさん言われたんですけど、でも感動させられるような演技にしたいと思っています」

(番頭役・塩瀬凪乃さん)「津波っていうのはみんな経験したことがないと思うので私たちの演技で津波が伝わるようにしたいなと思っています」

(櫻井教諭)「聴覚に障がいがあるということで健常者の人たちといろんな場面でコミュニケーションをとるときに、自分の声が届くだろうかとか遠慮し合ったりとかそういうところが割と多いかなというところで、自分の気持ちを相手にきちんと伝える、そういう力を身につけられるといいなと」