約230軒の舟屋が並ぶ京都・伊根町。風情溢れる“海に浮かぶ街”として外国人観光客にも人気です。しかし、そもそもこの場所は観光地なのでしょうか?海上タクシーなどの体験プランもある一方で、伊根町観光協会のパンフレットには「伊根の舟屋は観光地ではありません」と書かれています。その真意を調べました。
人気のあまり…観光で来た車であふれ返る道
京都府北部に位置する伊根町。木造の船を引き上げて乾かすために建てられた伝統的な舟屋が軒を連ねる小さな港町です。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、伊根湾を囲むようにして約5km、230軒の舟屋が立ち並んでいます。
「日本のヴェネツィア」とも称される街並みを一目見ようと、国内からだけでなく海外からも訪れる人が多くいます。
(フランスから来た人)「とても美しい日本の村ですね」
(アメリカから来た人)「とてもきれい!さっき遊覧船に乗りましたが、本当にすばらしい印象です」
取材班が訪れた10月22日もバスツアー客など多くの人で賑わっていました。
しかし、観光客が増えると問題になるのが…。
(記者リポート 22日正午ごろ)「交通量が増えてきました。係員が誘導しないと車がまともに通れないような状況になっています」
狭い道を観光で訪れた人たちの車がひっきりなしに行き来します。係員3人態勢でやっと安全を確保している状態です。コロナ禍が明け、こうした混雑が日常的に生じているといいます。
(地元住民)「大変です、もう大変です。人が多いのでねぇ。(Q出歩きにくい町になった?)そうです、そうです。日中は全然外に出ないという方もおられますよ」
舟屋周辺の駐車場は2つ、約90台分だけ。22日はすぐに車が道路にあふれてしまい、車同士のすれ違いにヒヤっとする場面も。