汲み取り式トイレで出産したわが子

「深呼吸してもらっていいですよ、大丈夫ですか? 質問を変えますね。トイレで実際に子どもを出産しましたか」
「2018年の時はしました」
「産んだ子どもはどうなりましたか?」
「…分かりません」
「調書には『汲み取り式のトイレに落ちていきました』とあるが、どちらが正しいですか?」
「調書の方です」
「分からないと言ったのはなぜ?」
「…思い出せなかった」
「赤ちゃんを助けようとは思わなかった?」
「(沈黙)」

質問は、今回の事件へと移る。

「今回の事件についてね。赤ちゃんの父親は誰?」
「マッチングアプリで知り合った、前の人とは別の人…」
「避妊せずセックスを?」
「はい」
「なぜ?」
「相手がしてくれなかった」
「拒否できなかったの?」
「(沈黙)」

質問に対する端的な返答が苦手なのだろうか。A女被告(当時)はたびたび沈黙する。

「ちょっとキツい質問になるけど、2018年の時の赤ちゃんのことは、頭に無かったの? また同じようなことになったら大変だと思わなかった?」
「思った」
「なぜ交際相手がいるのにマッチングアプリを?」
「(沈黙)」

「調書には『森さんとは関係良好だったが、何年もセックスしておらず、他の人と遊びたいという気持ちから、マッチングアプリを使った』とあるが」
「(沈黙)」