深刻 運転手不足でバス廃止
南波雅俊キャスター:
まさに今注目されているライドシェアの導入。背景には、バスやタクシーの運転手不足も要因の一つとして考えられています。

大阪府・富田林市などを走る路線バス・金剛バスは1日平均2600人が利用しています。ただ、利用者が年々減少し、運転手不足もあって、2023年の12月、全15の路線で運行が終了ということになります。
さらに、愛媛県・松山市内を走る路面電車の伊予鉄でも、11月から観光客に向けた「坊ちゃん列車」が全便運休。観光客向けではない路面電車に関しても減便という現状があります。
バスの減便などは全国に広がっていて、例えば、大都市圏で言うと宮城や、福岡などの各地でみられます。

【バスの減便など】
北海道 くしろバス 10月1日~ 一部路線廃止
宮城 愛子観光バス 10月2日~
大阪 金剛バス 12月で全15路線廃止
高知 とさでん交通 10月1日~ 平日76便減
愛媛 伊予鉄 11月より 坊ちゃん列車運休
島根 石見交通一畑バス 10月1日~
福岡 西鉄バス 10月1日~ 186便減(福岡地区)
長崎 島鉄バス 10月1日~
鹿児島 鹿児島交通 10月1日~ 一部路線廃止
この背景にあるのは、やはり利用者が減っていること。そうすると、会社も赤字になって、給与など待遇面も下がってしまう。その悪循環がずっと続いてるような現状があるわけです。

中にはこんな会社もありました。京浜急行バスでは、運転手の募集説明会を2023年4月に行いましたが、初回の応募は0人という状況でした。担当者は「運転手不足で日々の運行はもうギリギリ…」と話しています。
そんな中、京急電鉄の車内に全面広告を打ちました。
【全面広告】
人財不足で、このままではヤバいです。
しかし、めげてはいません!
働きやすい会社へと、前向きに奮闘中!!
この広告を実際に行った後には、応募者は30人を超えたということです。
担当者は「ストレートな表現だが、バス業界も厳しい状況だと問題提起がしたかった」と話しています。
ホラン千秋キャスター:
人口が減少していますので、こういった現象は各地で、しかも長期にわたって起こりうるということを考えると、各地どうやって利用したいという方々の声に応えていくかというのは課題ですよね。
萩谷麻衣子弁護士:
地方だけじゃなくて、やっぱり都心部でも高齢化が進み、インバウンドも増えてきたとなると、移動の手段に必要な人材が確保できないという問題は、もう日本全国でこれからどんどん進んでいくだろうなと思いますね。
井上貴博キャスター:
先進国でライドシェアを認めていないのは日本くらいのもので、個人的にいいんじゃないかなと思うんですけど、例えば業界団体が反発しているところ、個人タクシーと同じようなルール作り、制度設計をすれば事故の補償などもそんなに安全面を危惧するような、そこまでなのかなと思ってしまうんですよ。やはり法律の観点からは、懸念点があるんですか?
萩谷弁護士:
今の法律では、原則ライドシェアは禁止されてるわけですよね。その法律のもとで実施をしようとすると、やはり安全面の確保というのは不十分だと思うので、まずはどういうものを導入していくのかという、ちゃんと型を作って、それに対して安全面をどう確保できるかという法律を作っていく。私もそういうやり方であれば安全性を確保する手段はあると思いますし、ライドシェアというのは導入していくのが合理的かなと思っています。