一般のドライバーが自家用車を使って有料で乗客を運ぶ「ライドシェア」導入の議論が本格化してきました。
過疎地などでの交通の担い手不足から岸田総理も導入に意欲を見せますが、安全面から反対する声も根強く、臨時国会でも焦点となりそうです。
「ライドシェア」議論本格化 反対論も

大阪府の富田林市で現在14路線を走らせる「金剛バス」。
平日では1日平均2600人の地域住民らが利用していますが、12月で運行を終了することになりました。

バスの利用客「困る。本当に困る」
Q無くなったらどうします?
バスの利用客「どうしたらええんやろ。考えられへん」
Q歩いて駅まで来られます?
バスの利用客「無理無理。バスで20分かかるから」
バスの利用客「人口が少なくなってバスの運転手の不足というのはちらちら聞いていましたけどね」
運行終了の1番の理由は、“運転手不足”です。このバス会社の運転手は現在17人ですが、すべての路線で運行を続けるには、倍以上の運転手が必要だといいます。

金剛自動車 白江暢孝 代表取締役
「なくなるということはすごく、あの、決めることも言うこともすごく辛いことではあったんですけど、もう限界です。正直言いまして」
こうした交通の担い手不足は全国で広まっています。
また、観光地では外国人観光客の増加も加わって、タクシーが不足する事態も生じています。

こうした事態の解決策として注目されているのが、一般のドライバーが自家用車を使って有料で乗客を運ぶ「ライドシェア」なのです。

菅義偉 前総理
「ライドシェアを含む観光地やら地域の交通手段のあり方については、早急な対応が必要だと思います」
「ライドシェア」をめぐっては、菅前総理や河野デジタル大臣は解禁に前向きな考えを表明しています。
そして、複数の政府・与党関係者によりますと、岸田総理も、20日から始まる臨時国会の所信表明演説(23日)でライドシェア導入の検討を表明するということです。
一方で、「ライドシェア」は安全性の確保に課題があるとして自民党内から慎重な意見が出されています。
政府はさきほど、「タクシー不足に対応する緊急対策パッケージ」を打ち出しましたが…

自民・タクシー・ハイヤー議連幹部
「ライドシェアは安全性を重視する日本人のマインドに合わない。今回のパッケージでドライバーを増やす方が重要だ」
与野党ともに賛否両論あるテーマだけに臨時国会でも大きな議論となりそうです。