“普通”に元気に育ってほしい。それは多くの親のささやかな願いといえるかもしれません。そんな中、子どもに発達障害があるとわかった時、家族はどのように向き合うのでしょうか。いわゆる“普通”と葛藤しながらも、発達障害の息子のありのままを受け入れる家族を取材しました。
癇癪にパニック…「一見、普通の子」が向き合う“自閉スペクトラム症”

もっくん、8歳。一見、普通の男の子に見えますが“ある障害”に向き合っています。
2~3時間にわたる“癇癪”や危険を顧みない“衝動性”、不安になると起こる“パニック”。もっくんが向き合う障害、それは『自閉スペクトラム症』。“対人関係が苦手”“強いこだわり”などの特性をもつ発達障害の1つです。

もっくんの家は、ママ、パパ、もっくん、妹のかりんちゃんの4人家族です。もっくんは長男として生まれてきました。
ーー最初抱っこした時はどういう風に思われましたか?
もっくんママ
「嬉しいですよね。やっと来てくれた子っていう感じで」

ーー発達の状況を母子手帳を見て確認する欄がありますが、発達の進み具合はどうでしたか?
「1歳半健診のとき、指差しをしないとか、目も合いづらいといえば合いづらかったです。けれど、子育てをしていた環境が、私の周りに友達がいなくて、ほぼワンオペ状態。そういう環境が駄目だったんだなって思ってしまいました」

『環境を変えれば普通の子になる』そう思い、通わせ始めた幼稚園でしたが、他の子たちと比べて気になることが出てきたといいます。
もっくんママ
「何か違和感がどんどん増えていった感じで。3歳くらいなんですけど、なんか変な道にこだわって、その道通りにいかないとパニックとか癇癪とかになっちゃう感じで」

他にも、公園の遊具を『妹と一緒にやりたい』という“こだわり”で、並んでいる他の子どもを抜かしてしまい、クレームが寄せられたことも…。日々強まる“違和感”。それでも『普通の子』であると信じていました。