イスラエル軍が近く地上侵攻に踏み切るとみられるガザ。
地上侵攻はいつ始まるのか…詳しく解説します。
ガザへの地上侵攻 カギは「人質」

日比キャスター:
「出口が見えない」状況が続いています。2014年にもガザに地上侵攻がありました。
2014年7月の地上侵攻は、ガザの死者の数は2100人以上。今、もう既にこの人数を上回っている状況です。当時亡くなった方の約3分の2が民間人でした。一方で、イスラエルは約70人で、兵士がほとんどだったそうです。
当時の状況を取材をしていた秌場外信部長によると、ガザの死者数は2100人以上ということですが、前回はハマスのトンネルが標的で、ターゲットが絞られていたということです。今回はハマスの組織の排除が目的になっているので、前回よりも激しい攻撃が予想されると指摘しています。
イスラエルにおいて2014年は、約70人の死者でしたが、今回はハマスも、イスラエル軍の地上侵攻を待ち構えているはずということで、死者の数が拡大するのは確実ではないかと指摘されています。

地上侵攻は、いつ始まるのかを明海大学の小谷哲男教授に聞きました。
【ポイント①】人質の状況把握
明海大学 小谷哲男教授:
イスラエルにとっても、アメリカにとっても、かなりの数の人質がガザに連れ去られています。
ハマスの持っている地下トンネルのどこかに隠されていますが、まずどれくらいの人質が、どのトンネルにいるのかを把握しないと救出することができません。
地上侵攻を本格的に開始する前に、まず人質を救助することになると思いますが、今は人質がどこにいるのかの情報を集めているところだと思います。ハマス側の情報、通信の傍受であったり、イスラエル軍の特殊部隊が先に潜入して人質の状況を確認しているところだと思います。救助ができるとなった時には、本格的な地上侵攻が始まるタイミングになってくると思います。
【ポイント②】民間人の安全確保
明海大学 小谷教授:
10月7日にハマス側が、イスラエル側に大規模な攻撃を仕掛けて、1000人以上が亡くなりました。それを受けてイスラエル側が反撃をするということで、ハマスを壊滅させるということでしたが、ガザには200万人の市民が住んでいて、地上侵攻すれば大量の民間人に死傷者が出るということは避けられませんでした。しかし今、国際社会、そしてこれからバイデン大統領が向かいますが、民間人の犠牲をできるだけ少なくすることが必要だということで、10月16日にアメリカの国務長官が、イスラエルのネタニヤフ首相と話し合いをして、民間人の安全をできるだけ確保できる計画を立てようということです。
それが出来上がった上で地上侵攻するということなので、この2つの条件が少なくとも整わなければ本格的な地上侵攻は、やりにくいと思います。