「私が処罰されるのは微々たること」なぜ法を犯したのか

自らの違法行為をあえて公表することで法整備の必要性を訴えたのです。

菊田昇医師(1975年取材):
「赤ちゃんの命を助けるためには、法律は形式的に犯さないといけない。子どもの命が助からない場合はやらざるを得ない。私が処罰されるのは微々たること」

開業医として高額所得者に名を連ねていた菊田医師でしたが収入を支えていたのは、依頼の絶えない中絶手術だったと言います。

菊田医師を小説で描いた作家の石井光太さんは、「自らへの怒り」が原動力の一つになっていたと推測します。

作家 石井光太さん:
「石巻に戻って、個人で菊田医院をやったときに中絶が経営の柱になっていたという、いわゆる業ですよね。長者になって有名になる自分を非常に許せなかった」