子どもの福祉制度の1つ「特別養子縁組」は、1988年に運用が始まったものです。子どもを望む夫婦が、事情を抱えた親の元から子どもを迎え入れ我が子として育てていくものです。この制度の創設に深く関わったのが、宮城県石巻市の一人の開業医でした。制度の今と創設に込められた思いとは。

特別養子縁組で家族に

仙台市内に住む佐々木さん家族です。夫の健二さんと妻の啓子さんは、長男、長女、次女の3人の子どもを迎え入れ、特別養子縁組で家族になりました。

上のお姉さんは、小学5年生です。

佐々木さんの長女:
「(Q 学校では何が流行っていますか?)うーん…、何だろう、SnowMan」

妹さんは、工作が大好きな小学2年生です。

佐々木さんの次女:
「剣つくったの(Q 自分で作ったの?)うん」
父・健二さん:
「背中に背負っているのは何?」
次女:
「炭治郎の箱」
母・啓子さん:
「後ろから禰豆子が出てくるの?」
次女:
「え、いないよー」

3人の子どもがまだ赤ちゃんの時、東京にある養子縁組の支援団体を通じて迎え入れました。最初は不安の方が大きかったと妻の啓子さんは振り返ります。