9月16日、念願のジャングルへ。
横井さんが潜伏していたのは、島南部のタロフォフォ村のジャングル。
観光客でにぎわうタモン地域からタロフォフォの中心地までは、車で約40分かかります。
今回は、現地在住でツアーガイドなどをする今津祐輔さん、小川カメラマンとともにジャングルを目指しました。

午前10時、出発。さっそく目に飛び込んできた景色は、どこまでも続く緑です。
9月のグアムは雨期、背丈3メートルほどまでに伸びた草をかき分けながら、藪を突き進んでいきます。
現地で“ソードグラス”と呼ばれる細長い草。葉が固く、顔や手に当たると簡単に切れてしまいます。これをかき分けて進むのが大きなストレスでした。紫外線が日本の6倍ほどともいわれるグアム。そして、スコールでぬかるんだ地面が体力をどんどん奪っていきます。

そして時折、出くわしたのがこうした大きな足跡。今津さんによるとこれらは野生の豚や水牛が残したものだといいます。細心の注意を払い、進みます。
ジャングル地帯に入ると、道の険しさは増しました。気温は30度ほど、今回は蛇など危険を感じる生物ともほとんど出会わず、こうした環境も横井さんが生き延びられた一つの要因なのではと想像しました。
そして、【横井さんの潜伏した穴】まで複数回行ったことがあるという今津さんの案内で進むも、何度か迷いました。手つかずの自然の変化が著しく、数週間で景色が一変するそうです。雨期のグアムのジャングル地帯…至るところに川が出没します。行く手を阻まれてしまいました。安全面を考慮し、【横井さんの潜伏した穴】までは行かず、ジャングルの途中で引き返す決断を。
その後、タモン地域に戻った私は、現地在住の探検家・安部三博さんに話を伺いました。安部さんは【横井さんの潜伏した穴】までのジャングルツアーの案内を長年引き受けるなど、現地で横井さんの生涯を伝えてきた数少ない方です。そんな安部さんから数枚の写真を見せてもらいました。