先月金武町で開かれた『観月祭』。ある伝統行事の復活を願い多くの人が集まりました。その失われた伝統行事とは、金武町大綱引きです。

金武区文化振興推進委員会 儀武剛委員長
「社会的変化であったりだとか、やっぱりこういう伝統行事っていうのは機運が盛り上がらない事には出来ませんので、やっぱこの機運が出来なかった、盛り上げきれなかった。それにコロナがあって出来なかったという事じゃないかと思ってます」

綱引きの前に行われていたのがトゥール・ガーエー・テービーと呼ばれる綱引きの士気を高める前座儀式。この日、綱引き復活の機運を高める為、伝統行事の一部が再現されました。

“トゥール”では新調した旗頭を高々と披露すると。「サーサーサーサー」と大きな掛け声をあげながら、婦人会や老人会など区民が体をぶつけ合いのぼりを掲げる“ガーエー”で会場を盛り上げます。

熱気に包まれた会場で いよいよ“テービー”が始まります。  

火がついた『たいまつ』を持つ50人ほどの男たちが、号令とともに中央でたいまつをぶつけ合う“テービー”。舞い上がる火の粉、そして響きわたる音に会場は大盛り上がり。圧倒的な迫力に観客たちは興奮を隠せない様子でした。

観客
「最高最高、もう最高だ」
「とても迫力があってすごかったです」
「一番最高な祭りでした」

出演者
「言葉だけじゃ伝わらないものを実際に見てもらって、金武の伝統の迫力を肌で感じてもらいたい」

締めには会場にいる全員でカチャーシー。22年ぶりに行われた伝統行事は、確実に綱引き復活へ機運を高めたようです。 

観客
「初めて見てすごい迫力で盛り上がってました」
「来年から綱引きもやってみたいです」

金武区文化振興推進委員会 儀武剛委員長
「子供たちに伝えられ、次の世代に伝えられるようなものを復活していきたい」

綱引き復活へ熱い思いを乗せた火の粉が、金武の秋の夜空に舞っていました。

【記者MEMO】
今回は金武区のみでの再現となったが、並里区も一緒に行う以前の形での復活をと期待が集まる中、金武区、並里区の両区では、今後大綱引き復活に向けて話し合いを続けていくということです。