事情があって育てられない子どもを受け入れる、いわゆる“赤ちゃんポスト”。医療機関では唯一、熊本市にある病院が運営していますが、今、都内でも設置の動きが進んでいます。16年前、当時3歳で“赤ちゃんポスト”に預けられた男性が語った「体験」と「思い」。そして、施設を増やしていくうえでの課題について考えます。
3歳で“赤ちゃんポスト”に

熊本市の大学2年生、宮津航一さん(19)。宮津さんには幼い頃から大切にしているものがありました。
宮津航一さん
「この中に入ってるのが、預けられたときに僕と一緒に預けられたものですね。これは靴ですね」
そのほか見せてくれたのは、綺麗に畳まれた子供服でした。

宮津航一さん
「履いたまま預けられたっていうやつですね、これとか。だから、この中には着てた服も多分あるかと思います」
市内にある慈恵病院。ここの一角には、親が育てられない子供を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」いわゆる“赤ちゃんポスト”が設置されています。

赤ちゃんポストは、運用開始から16年が経ちました。開設した初日に預けられたのが航一さんでした。3歳の頃に預けられた航一さんはその後、熊本市の里親の家庭に引き取られました。
宮津航一さん
「一番最初に両親と撮った写真になります」

当時、航一さんを迎えた宮津家には5人の息子がいました。兄たちは本当の弟のように接してくれて、かわいがってくれたそうです。
宮津航一さん
「最初の誕生日のときの写真ですね。父が手作りで作ったケーキを毎年ですけど、これをみんなで祝って食べる、みたいな。たくさんの人に祝ってもらうのはこのときが初めてだったんじゃないのかな、というのは思いますね」
里親の夫婦は航一さんが赤ちゃんポストに預けられたことをマイナスとして捉えないように心がけたといいます。

宮津みどりさん
「あそこで命を助けてもらって良かったね、って。お母さんたちと巡り会えてよかったね、というようなプラスのイメージ。そういう捉え方をしてほしいと思って、そういう感じでずっと話をしてきました」














