たった一人の職人に課せられた町の大プロジェクト

万屋町 総監督 池上淳一さん:
「やっとお披露目ができてね。3年遅くなりましたけどね。実際に作られたのは嘉勢さんですけどね。うちの(義理の)父の遺品というか…」

21年前、今回 総監督を務めている池上さんの義理の父、樋口弘之さんが会長を務めていた頃、万屋町は嘉勢さんに町の威信をかけた“大プロジェクト”を依頼しました。

『まちじるし』の傘鉾の垂れ──長崎刺繍『魚づくし』の新調です。

150年間、ブンブンくるくる振り回し、手の施しようがなくなってしまった『刺繍の魚たちをよみがえらせて欲しい』

万屋通り町会 元会長 樋口弘之 さん(2016年逝去):
「惜しいんですよ。これこのまま置いとくと。ぼちぼちでも(代金を)払っていってでも、何とかしてやり替えようという風な…ちょっと横着な感情ですけども。でも今やっとかんとですね」