プロ野球も終盤。タイトル争いが激化する中、パ・リーグの本塁打王争いが見ものだ。現在26本でリーグ本塁打王はロッテ・ポランコ(32)。僅差の25本で2位タイにつける選手がソフトバンクの近藤健介(30)、楽天の浅村栄斗(32)、日本ハムの万波中正(23)。残り試合数は、ポランコが3試合、浅村と近藤が2試合で、万波は最終戦を終えているため、本塁打王争いは3人に絞られている。

NPBでのシーズン2年目となるポランコ(32)は、4月~6月が8本塁打だったのに対し7月以降は18本塁打と、夏場から調子を上げてきた。「一番はバットにアジャストできているし、毎日試合に出続けられている」と好調の要因を話す。

去年は巨人に在籍し、24本塁打。「自分にとって新しいリーグということで、そこに対して自分の中で経験を積んで、徐々によくなってきている」という。

今シーズンは1試合3本塁打を2回記録。その“パワー”の源はロッテファンにはお馴染みのものだ。朝と試合前にコーヒーを飲むというルーティーン。「コーヒー大好き」と笑顔で日本語が飛び出すほどで「すごい気持ちが高まりますし、元気になる。コーヒーを飲まないと少し眠くなります」。ちなみに、基本的には何も入れない“ブラック”が好きだそうだ。

自身の応援歌の歌詞にも“コーヒー”が使われていて、打席に立てばスタンドからは愛称でもある「エル・コーヒー」がこだまする。「とても大好きな曲ですし、楽しくプレーさせてもらってます。ホームラン打ってやろうという気持ちにもなりますし、自分だけではなく家族も友達もこの曲が大好き」だと話す。質問に答える際にも「エル・コーヒーホームラン」と口ずさみ、お気に入りの様子が伝わってくる。

初タイトルが見えているが、ポランコは冷静だ。「本塁打王は、とれたらとても光栄なことですが、そこまで重要なことではないです。自分が打点を稼いでチームの勝利に貢献できるような働きをしていくのが目標です。目標はCSに進出すること」と、チームの勝利が最優先だと語る。

残り3試合で、ホームランを打った後のパフォーマンス、「パワー」が球場内に何回響き渡るのか。インタビューの最後には「マリーズファン、頑張ります」と力強い日本語でファンに向けてメッセージを送った。

■グレゴリー・ポランコ
1991年9月14日生まれ。196センチ、108キロ 。ドミニカ共和国出身。左投げ左打ち。パドレス(14〜21年)~巨人(22年)~ロッテ(23~)。メジャー通算成績は823試合、打率.241、本塁打96本、362打点。