人間よりも暑さに弱い レッサーパンダ
今回注目するのは動物園の人気者、レッサーパンダ。
北海道で、気温30℃近くまで上がったとある日。昼にリンゴを与えられたレッサーパンダはとても嬉しそうにリンゴを頬張り、テンションが上がったのか食後はアクティブに動き回っていました。ところがその数分後、地べたに寝そべり、ぐったり。寝ているのとは違い、かなり呼吸が荒くなっていたのです。少しだけ動こうとするものの、起き上がれないような状態に見えました。熱中症かと思い心配になりました。ただ、飼育員さんもお気づきとのことで経過観察。その後、無事に体力を取り戻し安心しました。
レッサーパンダは、もともとヒマラヤや中国南部の山地(標高1500~4000メートル)に生息し、暑さに弱い動物です。そのため、飼育環境を人間がしっかり管理することが大切です。

日本動物園水族館協会の「適正施設ガイドライン」にはレッサーパンダの飼育環境について以下のような内容が示されています。
●適温は5℃から25℃、室温や気温は28℃が上限
●日射病や、室内でも熱中症に注意。
●湿度が高い地域では 除湿機やエアコンで湿度の調節も必要となる
●仲間と闘争した時には体温が上がりすぎることがあるので、冷房で対応。
●樹木は日よけになる種類を植栽する。地面に芝等の植物を植栽する。

日本はレッサーパンダの飼育数が世界で最も多い国です。世界の飼育数のおよそ7割が日本にいて、繁殖にも成功しています。しかし今夏のような高温を目の当たりにすると、今後、日本の暑さにレッサーパンダが対応していけるのだろうかと不安に思わざるを得ません。
雪を利用して暑さ対策
北海道の札幌市円山動物園では、冬の雪を利用して、レッサーパンダの暑さ対策を行っています。冬の雪を貯め、その冷たい雪解け水を使った「雪冷房システム」です。北海道ならではの対策ですね。















