睡眠可視化で市場開拓、睡眠健診で病気予防

健常者とうつ病患者の睡眠状況を比較すると、うつ病患者の方が覚醒が長い。

――覚醒は寝ているけれども実は起きている時間なのか。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:
おっしゃる通りです。うつ病の方の大きな特徴としては、眠りが全体的に浅くなるので結果として覚醒が長い。

――睡眠を見れば、病気や病気の兆候がわかるようにしているというところがみそだ。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:
我々はデータを蓄積しつつ、さまざまな精神疾患とか脳と心の病気の疾患鑑別につなげていきたいというのが大きな目標になっています。

――睡眠の可視化で認知症や生活習慣病、発達障害といったものや、その兆候もわかるということか。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:

特徴的なものがあれば、わかるのではないかと言われていて、かなり明確にわかるのは睡眠時無呼吸症候群です。統計によっては、日本には1000万人弱の潜在患者がいるのではないかと言われていま。寝ている最中に呼吸が止まってしまって、無呼吸が続くというもので、その結果、高血圧になったり、さまざまな生活習慣病の因子になっていると言われていますが、こちらは非常に我々のデバイスで検知することができると思います。

――初期段階や兆候がわかってくれば、予防にもつなげられるということか。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:

おっしゃる通りです。例えば、うつ病などは1か月前などに、不眠を訴えられる方は非常に多いと言われています。うつ病が治っていくと不眠が徐々に治っていくということも知られていますので、睡眠を指標にしながら心の状態を観察していく。早期にスクリーニングして予防につなげていくというところが重要かなと思っています。

――今は健診からビジネスとして始めていこうということなのか。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:

睡眠健診というものを事業にしていきたいと思っています。いろいろな疾患の鑑別をするには、健康な人のデータと疾患を持っている人のデータの両方を大量に蓄積していく必要があります。まずは睡眠健診を通して、健康な人、ちょっと悪い人のデータを大量に集めるというところから新しいアルゴリズムを作って、世の中に役に立つように届けていきたいというところです。

――やがて課題がある人、あるいは疾患にかかっている人たちの治療にも繋げていくようにビジネスを発展させていきたいということか。

アクセルスターズ 宮原禎CEO:

まずは健診を立ち上げるというところと、医療機器の開発をしています。最近、世界的にデジタルバイオマーカーというものが非常に注目されていて、例えば血液みたいなものがいわゆるバイオマーカーと言われるものですが、デジタル技術の進化によって、デジタルのセンサーから取ったデータをバイオマーカーとしようというところがかなり進んできているので、そちらを事業化していくというところも一つ大きな目標です。

(BS-TBS『Bizスクエア』 9月30日放送より)