福島市のビアレストランが9月、41年の歴史に幕を下ろしました。「いろんな人に大事にしてもらった」。創業以来、多くの人に愛され続けた老舗レストラン最後の一日を取材しました。

街に寄り添い、人々に至福のひとときを提供してきた老舗ビアレストラン。

「長い間ありがとうございました」

9月30日、惜しまれながらも41年の歴史に幕を下ろしました。

JR福島駅近くにあるビルの1階に佇むビアレストラン「ローゼンケラー」。福島市を代表する憩いの場です。1982年の創業以来、自慢の生ビールや名物のソーセージは、多くの人に愛されてきました。

店を切り盛りする、小林篤子さん(69)。現在のパセオ通りで前身となる喫茶店を営んでいた母・光子さん(92)の姿を見て、これまで大切にしてきたことがありました。

ローゼンケラー・小林篤子さん「母が一番大事にしている人への愛、愛を与えるから愛をいただける。その思いでずっとやってきた。人の息吹とか言葉とか汗とか匂いとか、そういうのを全部含めて人とのつながりだと思う」

時代が移っても変わらない客への「愛情」。しかし、長年親しまれた店も9月いっぱいでの閉店を決断しました。

小林篤子さん「アフターコロナで人手がなくなりました。おいしい料理といいサービスを一切できなくなってしまっては、営業をしている必要はないということで、(店を)やめる決断をした」

客「残念です。雰囲気が好きでした。寂しいですね」
客「福島の歴史のひとつがなくなるのは寂しい。昔からみなさんで和気あいあいとやっている雰囲気でした」

小林篤子さん(右)

「店が終わるその日まで…」小林さんは、いつもと変わらない、最高のサービスを提供したいと話していました。

小林さん「皆さんから感謝の言葉をたくさんいただいたので、40年間やってきてよかったとすごく思う」