大きな課題「地域差」
さらに、もう一つの大きな課題として「地域差」も挙げてくれました。
代表のこうへいさん自身も山口県出身で、現在は東京に引っ越して数年が経ちます。都会では、これまでの先人たちの活動のおかげでLGBTQ+の知識もある手話通訳者がいますが、地方では予算の問題などもあって関連用語のわかる手話通訳者がなかなかいない現状があります。
この件は、群馬県在住のかえでさんも大きく頷いていまして、自治体から派遣された手話通訳者には「ばれたくないので頼みづらい人が多い」と話していたんです。
地域のコミュニティでの噂は広まるのが速いので、通訳もかなり慎重に頼むようにしているということで、ろう者のLGBTQ+によくある問題だと教えてくれました。
人によっては、ホルモン注射や性別適合手術を行う場合には同行する手話通訳者へのカミングアウトやその人との関係性に加えて関連用語の専門知識もないととても不安だというお話も。
おしまいに、代表のこうへいさんに今、日本ろうLGBTQ+連盟が必要な支援を聞きました。
こうへいさん
「今必要としている支援は、このインタビューのような場所をどんどん増やしていきたい。ろう者の中にLGBTQ+がいるんだっていうことを聞いたり見たりする機会。私たちの団体だけの力では絶対に難しいこと、だから皆さんのお力添えがあってこそ。ですからそういう支援はすごく必要としています」
今後、連盟では各地のパレードといった地域のイベントに参加したり、さらにはこれまでのろう者のLGBTQ+の歴史などを綴った本を出版することで存在を可視化していきたいということでした。
(担当:TBSラジオ「人権TODAY」担当・TBSラジオキャスター 加藤奈央)