「カミングアウトしない選択もリスペクトします」

小川キャスター:
そうですよね。欧米もそうだとは思うんですけれども、欧米に比べるとやはり日本は、著名人の方がカミングアウトをされるハードルがやっぱり高いと思うんですよね。この部分っていうのをお感じになりますか。

與さん:
めちゃくちゃ感じます。僕は全然知らないですけれど、多分いると思うんですよ。絶対にいると思いますし。でも、「僕がやったから続きなよ」なんて、そんなことは僕は言えなくて。本当にカミングアウトする、しない選択をする人も、もちろんリスペクトしますし。僕みたいに世間に言うことが正解でもないですし。本当に人それぞれだと思うんですよね。

僕は、僕の性格を考えても将来のこと、将来やりたいことを考えても、やっぱり隠していくっていうことは自分の中ではできなかった。自分も本当に今まで自分が嫌いだったけど、自分をやっと好きになれて、自分に自信を持って、言うところまでこれたので言いましたけど。

「芸能界は言いづらいのは正直あります」

與さん:
でも、芸能界がやっぱりちょっと言いづらいっていうのは正直、あります。僕も多分、ロサンゼルスに来てなかったら、未だに多分、カミングアウトはできてないんじゃないかなって。やっぱりいろんな知識が、カルチャーのその違いとかを自分で経験して自分で見て、経験しないと多分言えなかったんじゃないかなって。

だから、こうやって取材をしていただいて本当に嬉しいですし、こんな話をいただいて僕も最初びっくりしました。「ええ!」みたいな。こんなすごい報道番組で僕をインタビューしてくれるなんて、「うお~」みたいな。今日もずっと緊張してましたから。

小川キャスター:
本当にこちらの方こそ、大変貴重な機会をいただいたなと思って。本当にありがたいんですけれども。日本の芸能界の言いづらさ、LGBTQの方々にとっての生きづらさがあるとしたらどういうところだと思われますか。芸能界には生きづらさがあるっていうふうにおっしゃってましたけれども、どういうところなのかなと。

與さん:
多分、日本の芸能界の設定がもうストレートですよね。なんか「ストレートでしょ」っていう話で持っていかれるので。だから毎回、毎回、インタビューとかしてる時にみんな多分本当につらいと思います。

芸能界のLGBTQの当事者と「支えあっていければ」 

與さん:
だから、本当にその一般人の方だけではなく、その芸能界の方で悩んでいる人とかも、別に僕が何かアドバイスができる立場ではないんですけれど、何かちょっとでも一緒に話せたりとか、DMを送っていただいたりとか。もちろん誰にも言わないし、お互いの辛いことも多分語り合えるだろうし、みんなで助け合っていければいいのになって思います。

でも、本当にたくさんの芸能人の方もDMをくれて。それはゲイの方とかじゃなくても、ストレートの方でも、本当にこんな人までみんなを応援してくれてるとか、すごくいい言葉をいただいて。芸能界の人たちにも広まったんだなって思うと、良かったなとも思いますし。自分のこれからのやっていかないといけない使命というものが何かわかった気もしました。

LGBTQへの理解「僕ももっと学ばないといけない」

小川キャスター:
ちょっとずつ理解が進んできましたけれども、それでも、まだまだっていう現状はあると思うんですよね。日本でも今年ようやくLGBT理解増進法というのが成立しましたけれども、これも当事者の方の間でも意見がわかれる表現になってしまっていて。同性婚の整備についても、G7の中で日本だけが同性婚できない状況になっていると。やっぱり環境として、なかなかLGBTQの方々にはまだまだ生きづらいものがあるのかなというふうにも想像するんですけれども。與さんはどんなふうにお感じになりますか。

與さん:
僕は2か月前にカミングアウトをして、まだ日本にも帰れてない状況で。日本で生きてるLGBTQ当事者の方たちとまだ話したことがなくて。だから、今どれだけ生きづらいのかっていうのを、僕もそういう方たちとこれから勉強していきたいんですよね。僕も多分、学ばないといけないこともたくさんありますし。

次帰った時に、たくさんの人と会いたいなと思ってるんですけれど。そこで何かいろんなことを学んで、これからの日本の課題とかを僕も聞いて。どこまで自分が助けられるかとか、どこまで力になれるかっていうのは正直わからないですけれども、自分ができる範囲でみんなで助け合って生きていきたいなとは思います。

僕も本当に将来はやっぱり日本に戻りたいです。日本には家族もいますし、友達もたくさんいますし、ファンの皆さんも待ってくれているので。将来的にはやっぱり日本に住みたいなって、またずっと住みたい気持ちもたくさんありますし。でも、今はやっぱりアメリカでもやることがあるっていうので、こっちとあっちと行ったり来たりしてますけれど。僕も本当にこのLGBTQの問題を自分ももっともっと学んでいかないといけないなっていう思いがあります。