海水が数百万年かけて運ばれ有馬温泉に…「世界で珍しいプレート直結温泉」

 なぜ、山の中でこんなに塩分濃度が高いお湯が湧くのでしょうか。謎を解く鍵は日本列島の下に沈み込むフィリピン海プレートができた年代だといいます。

  (巽教授)「この辺を境にして、西側と東側で年代が全然違うんですよ」
 (大吉アナ)「どれくらい違うんですか?」
  (巽教授)「ここがね、5000万年前より古いんですよ。こちらは2500万年前より新しい。地球上で一番新しいプレートの1つなんですよ」
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 巽教授によりますと、フィリピン海プレートの東側は2500万年前以降にできた新しいもので温度が高く、日本列島に向かって年間4cm~5cmずつ沈みこんでいます。特に近畿地方の下は1500万年前ごろにできた非常に若くて熱々のプレートだそうです。
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  (巽教授)「プレートってもともと海の中でできるので、ちょうどスポンジに水をいっぱい含ませたような感じでこの辺までやってくるんですね。近畿地方の下って非常にプレートが熱いので、ぎゅっと縮まって、数100℃のものが先にしぼり出されてしまうんです。それがちょうど60~70kmくらいの深さで、ちょうど有馬温泉の下くらいなんですね」
 (大吉アナ)「何年くらい前の水が出てきているということなんですか?」
  (巽教授)「ここまでくるのにだいたい数百万年かかるんです。98℃の温度があってこれだけ濃い色をしている。プレートから海水を濃集したものが直結しているわけですからね。我々よく言うのは、有馬って世界で珍しいプレート直結温泉だと。非常に珍しい温泉」
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 プレートとともに数百万年かけて運ばれてきた海水はその後、数千~1万年かけて地表まで上昇し、有馬温泉となっているのです。