歴史を紐解く貴重な発見!

今回見つかった木簡は長さ約30センチ。奈良時代末期から平安時代初期ごろのものとみられています。

記された「鎮兵」の文字には、どんな意味合いがあるのでしょうか。

「鎮兵」とは、今の東北地方にあたる陸奥国や出羽国を敵対勢力から守る兵士で、現在解読できる内容では、この木簡は出羽国から今の栃木県にあたる下野国へ宛てられたものだということです。これまで「鎮」と「兵」が1文字ずつ記された木簡は見つかっていましたが、2文字が完全に解読できるものは初めてです。

この木簡がなぜ福島市で見つかったのか、市の担当者に聞くと、理由まだはわかっていませんが、いくつかの説があります。

昔の街道、東山道を通って木簡を運ぶ途中に何らかの理由で取り残された、再利用された、当時の信夫郡から兵士が派遣されていたのではないかという説もあります。当時の朝廷の勢力と兵の動きをひも解く貴重な資料になりそうです。

また、この木簡が見つかった遺跡には井戸や沢があり、その水の中で保存されていたので空気に触れない。そのため1000年以上も残ったとみられています。歴史のロマンを感じる発見でした。