「Relay~杜の詩」―

そしてこの問題を巡って最近、街に流れ始めた曲が…

サザンオールスターズによる、神宮外苑の再開発をきっかけに制作されたという新曲「Relay~杜の詩」。

♪「誰かが悲嘆(なげ)いてた 美しい杜(もり)が消滅(き)えるのを―」
 
桑田佳祐さんは、「若い世代を含め、人々が森について考えるきっかけになれば」と語っています。

♪「地球が病んで 未来を憂う時代に身近な場所で何が起こってるんだ?」

坂本龍一さんが残したメッセージ

そして桑田さんがこの曲を作ったのは、音楽家・坂本龍一さんの想いに触れたからだと言います。坂本さんは生前、小池都知事にこんな手紙を送っていました。

「目の前の『経済的利益』のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々を犠牲にすべきではありません」

指摘された「経済的利益」とは何か。背景のひとつには、内苑である明治神宮がおかれた事情がありました。

静岡文化芸術大 松田達准教授(都市学)
「『内苑の森』を維持していくために『外苑の再開発』が必要だと、そういう説明をしている訳です。経済的利益の追求はしてもいいと思うが、 それを追求するのであれば、関係者の人が納得する説明が必要。その前段階を飛ばした上で、超高層ビルを立てることは先行している。住民不在で議論もないまま進んでしまっているという感じが否めない」

誰のための再開発か…その是非が今、改めて問われています。

(「サンデーモーニング」2023年9月24日放送より)