■アジア大会 1日目(日本時間24日・中国 杭州 蕭山臨浦体育館 )
柔道1日目、女子48㎏級(決勝)に出場した角田夏実(31・SBC湘南美容クリニック)がオール一本勝ちの圧倒的な強さで優勝。アジア大会2大会連続の金メダル獲得(前回ジャカルタ大会は52kg級で出場)で、今大会の日本選手における金メダル第1号となった。女子48kg級の優勝は2002年釜山大会の北田佳世以来21年ぶり。
世界選手権では3大会連続でオール一本勝ちと、同階級で今や敵なしの角田は、この日も圧倒的な強さを見せつける。初戦となった準々決勝では鮮やかな巴投で技ありを奪うと再び巴投で技ありを奪い合わせ技1本、これ以上ないスタート。準決勝では得意の腕ひしぎ十字固で一本を奪い勝ち上がった。
決勝戦は開始早々に角田は指導とられたが、攻め急がず落ち着いた柔道をみせる。開始2分3秒、相手の体勢を崩して、そのまま腕ひしぎ十字固め。相手は成す術無くタップ。今大会でも圧巻のオール一本勝ちと、アジアの舞台でその強さを十分に見せつけた。
2大会連続となったアジア大会の金メダルに、「良かったです。ホッとしています」と笑顔を見せた。「しっかり今大会の準備段階から振りかえって、パリ五輪に準備していきたい」と決しておごることなく、次なる戦いへ向け気を引き締めた。
角田は世界選手権3連覇の実力を評価され、6月にパリ五輪代表へ早期内定。1年後の大舞台を見据えアジア大会での戦いに挑んだ。今大会でも世界女王の強さを遺憾なく発揮し、日本人金メダル第一号。自身初となるオリンピックへ弾みを付けるとともに、日本選手団の好スタートにも貢献する大会となった。
■角田 夏実(つのだ・なつみ)
1992年8月6日生まれ、身長162cm。千葉県八千代市出身、東京学芸大学卒業。
得意技は巴投と関節技(腕ひしぎ十字固)。小学2年時に父親の影響で柔道を始める。東京学芸大に進学し寝技の技術を磨くと、13年の学生体重別選手権で全国初制覇。卒業後、了徳寺大学(現・SBC湘南美容クリニック)に進むと、16年のグランドスラム東京で国際大会初優勝。18年にはアジア大会ジャカルタを制した。19年に52kg級から48kg級に転向すると、21年の世界選手権から3連覇を達成。日本女子選手では3人目となる偉業を、3大会全てでオール一本勝ちするという離れ業で成し遂げた。その戦いぶりが認められ今年6月には来年のパリ五輪代表に内定、自身初のオリンピックへ挑む。