全日本実業団陸上が9月22~24日に岐阜市の岐阜メモリアルセンター長良川競技場で開催される。プレビュー3回目は、男子100m日本記録(9秒95)保持者の山縣亮太(31、セイコー)ら、復活が期待されている選手たちを紹介する。

山縣は10秒0台を出す可能性も

 山縣は21年東京五輪男子100mで、五輪出場3大会目で初めて予選落ちに終わった。同年10月に右ヒザを手術。今年4月の織田記念100m(10秒48、+0.5)で1年7か月ぶりにレースに復帰し、5月の木南記念は「技術を丁寧に確認できる」という200m(21秒55、+0.9)を走った。同じ5月の東日本実業団も200mで20秒97(+0.2)、6月の布勢スプリントは100m予選で10秒29(+1.6)とタイムを上げた。

 7月の南部忠平記念はアップ中に痛みが出て欠場したが、8月は富士北麓ワールドトライアル200m(予選20秒94、+0.6)、佐野スプリント100m(10秒35、+1.6)を経て、トワイライト・ゲームス100mで予選10秒19(+3.1)、決勝10秒22(+1.5)と状態を上げてきた。

 そして全日本実業団陸上の目標を、高野大樹コーチは次のように話した。

「東京五輪以後で初めて、ピーキングをして臨む大会です。復帰後1戦1戦、タイムが微増させてきています。1個1個、課題がクリアできている証拠です。全日本実業団陸上は10秒10台~0台の可能性がある」

 風速が2.0m以内の公認条件で10秒1台なら、東京五輪予選の10秒15(+0.1)以来で、2年2か月ぶりとなる。10秒10未満なら、9秒95を出した21年布勢スプリント以来、2年3か月ぶりとなる。