来週から始まる秋の彼岸に向けて栽培されてきた花が、この夏の記録的な猛暑により開花が大幅に遅れていました。卸売市場でも花の入荷数が2割ほど減っていて、影響は深刻です。


青森県五戸町倉石でスプレー菊を栽培している畑山拓也さんのビニールハウスです。スプレー菊の開花は25度くらいが適温とされていますが、猛暑の影響で開花が大幅に遅れていました。


畑山拓也さん
「つぼみが非常にいつもの年と違って固くなってきています。たぶん暑さでやられて固くなっていると思うんだけど、そのために花びらが開けないという状況で開花が遅れている」


このほかにも1本の茎から出るつぼみの数が通常より多く生育が悪くなっていて、出荷するさいに等級が下がることが増えているということです。このため出荷数も例年より2割近く減っていました。

畑山拓也さん
「いつもだと彼岸にばっちり開花するようにやっているが、彼岸に間に合わせることができないことが非常に残念」


農家の苦境は卸売市場の出荷数の減少に直結しています。青森県の八戸市中央卸売市場では、15日の競りが9月20日に秋の彼岸が始まる前で最後の取り引きです。

八戸市中央卸売市場花き部営業第一部 平内裕治部長
「見てのとおり非常に少ないピークとなりました。9月1か月で現在だいたい2割から減っています。ほとんどが地元の花ですね」


例年であれば秋の彼岸までの約1か月間で約25万本を取り引きしていますが、2023年は5万本減って約20万本と取り引きは低調です。


八戸市中央卸売市場花き部営業第一部 平内裕治部長
「少ないだけじゃなくて暑いので品質もちょっと下がったり等階級が低いものが多かったり、8月、7月のつぼみの形成時期のころ暑かったのが今に響いてきた。今後もちょっとは響く」


記録的な猛暑により生産者、そして市場関係者ともに深刻な被害を受けていて当面の間、影響は続くことになる見込みです。