相次ぐ豪雨災害に対して、大分県は水田に雨水を溜める「田んぼダム」という取り組みを来年度から本格的に導入します。
大分県日田市二串で建設業を営む松岡勉さん。今年7月10日の大雨で近くを流れる川が氾濫しました。松岡さんが設置している雨量計は1時間に130ミリに達し、水かさが急激に上がっていったと振り返ります。

(松岡さん)「環境保全の役割だったと思うけど昔からの農業が廃れてきて昔は山の上まで田んぼや畑をしていたけどそれがなくなっているから川の水が増えるときはすぐに増える」
こうした豪雨災害に対して、県内で来年度から導入される「田んぼダム」。水田に排水量を抑制する専用のせき板を設置し、高さ10センチ分の雨水を貯留します。

貯水量は1ヘクタールあたり1000トンで県内すべての水田導入された場合は2300万トンに上ります。これは総事業費1000億円をかけて完成した大分市のななせダムに匹敵する貯水能力があるのです。

(県農村基盤整備課・安藤正浩課長)「せき板を田んぼの排水ますに設置するだけでコストもかからずスピード感を持って取り組める。田んぼダムの効果を広く推進できれば洪水抑制効果が早期に発現できるのではないか」